23. 魔宮の伝説 The Temple of Doom

作品について

このエピソードは1984年に公開されたインディ・シリーズの劇場公開作品第2弾である。だが、時代設定は『レイダース』から1年遡った1935年となっている。

『魔宮の伝説』は『レイダース』の爆発的なヒットを受けて作られた正統な続編だが、後半シーンの大半が洞窟内であることや、敵役が邪教集団であることなど、オカルト色が前面に押し出されており、全体的に暗いトーンの作品となっている。その一方で、前作を凌ぐスピーディかつ痛快なアクション・シーンも多数用意されており、ファンの間でも賛否両論が大きく別れる結果となった。アカデミー賞では2部門にノミネートされ、視覚効果賞のオスカーを獲得している。

なお、『魔宮の伝説』はヤング・インディのシリーズ再編の際にタイムラインに沿ってチャプター23とされたが(『レイダース』との順序に注意)、その後、映画三部作は別枠で扱われるようになった。だが、当サイトでは引き続きチャプター23として扱っている。

ストーリー

1935年 上海 Shanghai - 1935

上海マフィアの首領、ラオ・チェとそのファミリーの依頼で、満州王朝初代皇帝ヌルハチの遺骨を手に入れたインディは、あるナイトクラブで骨壷と約束の巨大ダイヤとの交換に臨んでいた。しかし、ギャングたちは最終的にその両方を手に入れようと目論んでおり、インディに毒を盛る。こうしてナイトクラブは銃撃戦の舞台となり、インディはクラブの歌姫ウィリー・スコットを連れて命からがら脱出するのだった。彼は仲間の少年、ショート・ラウンドの用意した車で逃走し、ラオの追跡を振り切って飛行機で上海を脱出する。しかし、飛行機のパイロットたちもラオの手下であり、インド上空で飛行機は墜落してしまう。それでも一行は何とか窮地を脱し、デリー近郊の貧しい村にたどり着くのだった。

1935年 インド India - 1935

メイアプールと呼ばれるこの村はすっかり荒廃しており、活力のない老人たちに溢れていた。村人曰く、パンコット宮殿の人々が村を守っていたサンカラ・ストーンと子供たちを奪っていったというのだ。インディは村人たちに説得され、子供たちを救出するべくパンコット宮殿へと向かう。やがて宮殿に到着したインディ、ウィリー、ショート・ランドの3人は、宰相チャター・ラルや13歳のマハラジャ、ザリム・シンらの歓迎を受け、イギリス軍のブランバート大尉らと共に不気味だが豪華な祝宴に列席する。インディは村人たちの話を持ち出すが、宮殿の主たちは単なる噂話だとして取り合わない。マハラジャも、邪教組織は既に滅びており、自分の国で非道な行為は一切させないと断言する。インディは非礼を詫び、何事もない平和な一日が過ぎるのだった。だがその夜、インディの部屋に刺客が忍び込んでおり、乱闘騒ぎとなる。その後、3人は宮殿の地下に通じる秘密の通路を発見し、無数の虫がうごめく通路や、串刺しの間を切り抜けると、その奥で驚くべき光景を目の当たりにするのだった。宮殿の地下で、邪悪な司祭モラ・ラムが邪神カリを崇拝するサギー教を復活させており、サンカラ・ストーンの力で世界征服を企んでいたのである。

高僧サンカラがシバ神から授かったとされるサンカラ・ストーンは全部で5つあり、メイアプールにあったものを含めて既に3つが発見されていた。残りの2つは100年前にイギリス軍がサギー教を滅ぼした際に地下深くに埋められており、モラ・ラムは奴隷として誘拐してきた子供たちにその発掘作業をさせていたのである。マハラジャをはじめとする宮殿の人々も既に彼らの黒魔術によって洗脳されていた。インディは3つのサンカラ・ストーンを盗んで逃げようとするが、モラ・ラムに捕らえられ、彼自身もカリの黒い血によってサギー教の狂信者にされてしまう。だが、ウィリーがカリへの生贄にされようとしたとき、ショート・ラウンドの活躍によってインディは目を覚ます。彼らは反撃に転じ、奴隷となっていた子供たちを解放すると、再びサンカラ・ストーンを奪って地上に脱出したのだった。

その後、彼らはモラ・ラムの追跡によってつり橋の中央に追い詰められるが、インディはつり橋を切断し、断崖での激闘を繰り広げる。最終的に彼はサンカラ・ストーンの力を借りて邪悪な司祭を倒すことができた。すると、マハラジャによって呼び戻されたイギリス軍も到着し、邪教集団は再び壊滅させられたのである。インディは約束どおり村にサンカラ・ストーンの1つを持ち帰り、明かりを取り戻した村人たちから盛大な歓迎を受けるのだった。

トリビア

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