24. レイダース失われた聖櫃 The Raiders of the Lost Ark

作品について

このエピソードは1981年に公開されたインディ・シリーズ最初の劇場公開作品である。当初は『レイダース/失われた聖櫃(Raiders of the Lost Ark)』のタイトルで知られていたが、2003年の三部作DVD-BOX発売を機に、他の2作品のタイトルとの整合性を取るため、『インディ・ジョーンズ/レイダース失われた聖櫃(Indiana Jones and the Raiders of the Lost Ark)』へと改題された。また、DVD版ではブルーパーの修正などが若干行われている。

『レイダース』は『スター・ウォーズ/新たなる希望』が全米で公開された際、同作品の興行的失敗を恐れてハワイに逃避していたジョージ・ルーカスが、偶然そこに居合わせたスティーブン・スピルバーグと遭遇し、007シリーズのような冒険活劇を作りたいと意気投合したことで生まれた作品だとされている。これは結果として世界的な大ヒットを記録することとなり、同年のアカデミー賞でも9部門にノミネートされ、5つのオスカーを獲得している。だが、日本ではそれほど成績が振るわなかったのも事実であり、実際に国内で『レイダース』が人気を集めたのは、ビデオ発売以降になってからのことだった。

なお、『レイダース』はヤング・インディのシリーズ再編の際にタイムラインに沿ってチャプター24とされたが(『魔宮の伝説』との順序に注意)、その後、映画三部作は別枠で扱われるようになった。だが、当サイトでは引き続きチャプター24として扱っている。

ストーリー

1936年 ペルー Peru - 1936

インディはチャチャポヤン戦士の神殿の奥深くに眠る黄金の像を手に入れるため、ペルーのジャングルを探検していた。彼は神殿に仕掛けられた2重、3重の罠をかいくぐり、仲間の裏切りに苦しめられながらもなんとか金像を手に入れて神殿から脱出する。しかし、神殿の出入り口には狡猾なフランス人考古学者ルネ・ベロックが懐柔した原住民を伴って待ち構えており、金像を横取りされたインディは命からがらジャングルを逃走するのだった。

1936年 ウエスト・バージニア West Virginia - 1936

数日後、インディはウエスト・バージニア州のマーシャル大学で何事もなかったかのように教壇に立っていた。そこにアメリカ政府の諜報員が面会に訪れ、インディは話を聞くことになる。諜報員によると、ドイツ軍によるカイロ=ベルリン間の無線傍受に成功し、ナチス・ドイツが「失われたアーク(聖櫃)」を探していることが判明したというのだ。聖櫃はモーゼの十戒の破片を収めた契約の箱であり、所有者に神秘的な力を与えるとされている。また無線によると、ナチスは聖櫃への手掛かりとなる「ラーの杖」を探しており、アブナー・レーヴンウッド教授との接触を試みているという。そこで諜報員たちは、かつてレーヴンウッド教授に師事していたインディに相談を持ちかけてきたのだった。聖櫃がヒトラーの手に渡れば、勢いを増すナチスが更なる力を手に入れ、全世界が大混乱に襲われることになる。アメリカ政府はインディに、ナチスより先に聖櫃を手に入れてほしいと依頼するのだった。

1936年 ネパール Nepal - 1936

インディはレーヴンウッドが隠居しているネパールを訪れ、教授の娘でありかつての恋人でもあるマリオンと再会する。しかし、レーヴンウッドは既に他界していた。インディはラーの杖に取り付けるメダリオンを求めるが、そこにナチスの工作員アーノルド・トートの一味も現れ、大混戦となる。最終的にマリオンはインディにメダリオンを託し、パートナーとして発掘現場であるエジプトへと同行するのだった。

1936年 エジプト Egypt - 1936

カイロで旧友のサラーと再会したインディは、メダリオンに隠された秘密を解き明かすことに成功する。また、ナチスが宿敵ベロックと手を組み、聖櫃の発掘を行っていることも判明した。だが発掘現場へと向かう途中、インディはナチスの妨害によってマリオンを殺害され、彼女を真剣に愛していたことに気づいて意気消沈してしまう。その後、作業員に変装したインディとサラーは発掘が行われているタニスへと向かい、地図の間と呼ばれる部屋にラーの杖をかざすことによって聖櫃の眠る魂の井戸の位置を突き止めた。そのとき、インディはマリオンが生きており、ナチスの捕虜となっていることを知るが、騒ぎにならないよう彼女をそのままにしておくのだった。そして翌朝、インディとサラーはついに魂の井戸を掘り当て、聖櫃を手に入れる。だが、またしてもベロックに横取りされ、マリオンと共にヘビの大群のいる井戸の中に取り残されてしまった。インディはなんとか脱出に成功し、ナチスの手から再び聖櫃を奪い取ると、船でマリオンと共にアメリカへと向かう。しかし、その途中で彼らの乗る船はドイツ軍の潜水艦に拿捕され、またもやマリオンと聖櫃を奪われてしまう。だが、インディも潜水艦に乗り移り、ナチスの秘密基地のある地中海の小島へと到着するのだった。

1936年 地中海 Mediterranean Sea - 1936

島ではベロックが司祭に扮し、聖櫃を開封する儀式を行おうとしていた。捕らえられたインディとマリオンは柱に縛られ、儀式の生贄とされることになる。そして聖櫃がついに開かれるとき、インディはマリオンに決して目を開けるなと告げる。だが2人が目を閉ざすなか、ベロックが蓋を外すと、中には砂が入っているだけだった。ナチスの将校たちの間に呆れと怒りが渦巻くが、次の瞬間に突如として聖櫃の中から不気味な精霊が出現する。同時に圧倒的なパワーが解放され、ベロックやナチスのトート、デートリッヒ大佐、その他の兵士たちは神の怒りによって次々と生命を奪われていった。生存者は目を閉ざしていたインディとマリオンだけとなり、静かに元の姿に戻った聖櫃はようやくアメリカ軍の手に渡ったのだった。

1936年 ワシントン Washington - 1936

インディと彼の上司のマーカス・ブロディは聖櫃の調査を行いたいと軍に要求するが、軍当局はそれを認めようとしない。そして、聖櫃はワシントンにある軍の最高機密を格納した倉庫に人知れず運び込まれることになる。そこには同じような「最高機密の箱」が無数に積み上げられているのだった。

トリビア

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