15. 砂漠の勇者たち Daredevils of the Desert

作品について

このエピソードは「ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ」の第27話として放映された「1917年 10月 パレスチナ」を再編集した作品である。再編集の際に追加シーンが盛り込まれ、当初1時間だった内容が2時間に延長されている。

本エピソードは海外でテレビ放映されたのみだが(本来のパレスチナ編はアメリカでは未放映)、その後ビデオ化されている(国内版は既に絶版)。

ストーリー

1917年 10月 パレスチナ Palestine - October 1917

イギリス軍はガザに展開するトルコ軍を二度にわたって攻撃したが、いずれも失敗に終わっていた。だが、将軍はベエルシバを陥落させ、クリスマスまでにはエルサレムを制圧したいと考えている。それに対してインディの旧友であるT.E.ロレンスは、この計画は砂漠の横断を意味しており、しかもベエルシバに到着するまで途中にはオアシスがまったく存在しないと指摘するのだった。しかし、リチャード・マイナーツァーゲン少佐は、軽装で出発し、電光石火で砂漠を横断すれば実現可能であると主張する。だが、この作戦の成否は、ベエルシバにある水の満たされた井戸の存在に掛かっているのだ。また、彼らはトルコ軍に自分たちの主な攻撃目標が依然としてガザであると信じ込ませるため、大規模な諜報活動を開始する必要があり、さらにベエルシバにアラビア語とトルコ語の両方を使える信頼できるスパイを送り込み、井戸の監視を行わせる必要もあった。ここでロレンスは、イギリス軍が必要とする人材を知っているといい、その人物はカイロでフランス情報局のために働いていると告げるのだった。

インディは上官から自分がイギリス軍へ再編入させられたことを聞き、マイナーツァーゲン少佐に報告するよう命じられた。すると彼はアフリカで第25ロイヤル・フュージリア連隊に配属させられたときのことを話し、ドイツ軍の列車を破壊する任務でマイナーツァーゲンにあやうく殺されかけたことから、少佐は精神異常者であると指摘する。やがてインディはマイナーツァーゲンのもとへ到着し、少佐とオーストラリア軽騎馬隊の一員であるジョン ”ジャック” アンダースと共にバードウォッチングに連れられていった。このとき彼らはトルコ軍の攻撃に遭い、マイナーツァーゲンが肩を撃たれてしまう。3人はなんとかその場を逃れるが、少佐が任務で運んでいたバッグを落としてしまい、トルコ軍に持ち去られてしまった。その後、3人は野営地に戻り、インディはマイナーツァーゲンの巧妙なトリックを知らされることになる。少佐の出血は肩に仕込んだ子牛の血であり、奪われたバッグの中に入っていたものは、イギリス軍がガザを攻撃すると見せかけた偽造計画書だったのだ。その後、T.E.ロレンスが野営地を訪れ、インディは自分をこの計画に関わらせたのが彼だということを知るのだった。

ベエルシバに駐留するトルコ軍の司令官イズメット・ベイ大佐と、ドイツ軍情報部の司令官シラー大尉は、手に入れた文書の真偽について議論していた。シラーはそれが本物であると信じており、フォン・クリステンシュタイン将軍にガザ攻撃計画について知らせると主張する。しかし、ベイは偽物であると信じており、イギリス軍がガザではなくベエルシバを攻撃してきたときに備えて井戸にダイナマイトを仕掛けておくよう命じるのだった。

イギリス軍基地では、ロレンスとマイナーツァーゲンがインディに作戦について説明を行っていた。2人によると、50,000人のイギリス兵が2日間で砂漠を横断し、ベエルシバを攻撃することになるという。だが軽装のため、水筒は各自1本ずつしか持てないというのだ。ベエルシバを攻略した際に水の満たされた井戸が存在していなければ、彼らは全員砂漠の真ん中に取り残され、死んでしまうだろう。インディの任務は何としてでも井戸を守り通すことにあるのだった。

その後、インディとロレンスは夕食を共にし、インディは彼に、自分と父の不仲について語っていた。するとジャックが現われ、インディに他のオーストラリア兵たちを紹介する。そしてインディは彼らに、オーストラリア兵がこの戦いを単に傍観しているだけなのはなぜかと尋ねた。ジャックによると、イギリス軍は彼らを信用しておらず、そのためオーストラリア軍は常に予備兵として扱われているのだという。だが、ジャックは自分たちの力に自信を持っており、オーストラリア軽騎兵隊は馬で迅速に、その後は足で敵地に乗り込む勇敢な歩兵部隊であると訴えた。その後、インディとオーストラリア人のデックスが馬で友好的な競争を行い、インディは完敗したのだった。

翌朝、ロレンスとマイナーツァーゲンはインディを起こすと、彼に商人を偽装してベエルシバに入り、現地でカジムという名の別の諜報員と接触するよう指示する。そして、インディは右側にナイフが仕込まれた靴を渡され、旅の踊り子に扮したもう1人の諜報員メイヤと共にベエルシバを目指すことになると告げられた。その後、彼は出発する前にナイフ投げの練習を行うが、まったく的に当てることができなかった。彼はジャックと他のオーストラリア人たちに別れを告げ、ロレンスとマイナーツァーゲンと共に野営地を去る。そして彼らは砂漠でメイヤと合流し、インディはロレンスに別れを告げるのだった。

旅の途中、メイヤはインディに、ガザとベエルシバのどちらを目指しているのかと訪ねるが、インディは今は教える必要がないといい、そのときが来たら話すとだけ告げる。その晩、彼らは野営を行い、インディは再びナイフの練習を行うが、まだまだ上達しなかった。また、インディはメイヤに諜報員になった理由を尋ねるが、彼女は何も答えようとしない。しかし、砂漠で2人が野蛮な部族やトルコ兵に襲われたとき、マイヤは常人離れした能力を見せつけ、インディを感心させるのだった。

翌日、イギリス軍の本営ではジャックが出発の命令を受けていた。しかし、目的地は告げられず、彼も仲間たちに行く先は不明だと伝えるしかなかった。

やがてインディとメイヤはベエルシバに到着し、インディは街の入り口で警備兵に賄賂を渡すことで難なく中へ入ることができた。彼はさっそくカジムと接触し、井戸に爆弾が仕掛けられていることを知らされる。そしてカジムによると、ベイ大佐がガザからの援軍を拒否したという。インディは伝書鳩に井戸に関する情報を持たせ、基地へと送った。その後、カジムは酒場で食事をしているインディに、ベイとシラーがいることを告げる。また、メイヤはそこで踊りを披露し、ベイとシラーにベールを渡していた。そして酒場を出たベイは、メイヤのベールに隠されていたメモを取り出し、彼女がまだイギリス軍の攻撃目標を知らされていないことを知る。メイヤは二重スパイだったのだ。一方、カジムはインディに、次の日になったら2人で井戸に張られた導火線を切断しなければならないと告げるのだった。

その後、インディはメイヤと会い、翌日の13時ちょうどにベイ大佐の前で再び踊り、彼らを釘付けにするよう依頼する。メイヤは改めてイギリス軍の攻撃目標を問いただすが、インディはまだ答えようとしなかった。そしてその夜、インディはメイヤと共に一晩を過ごすことになり、カジムとの待ち合わせに遅れてしまう。そのためカジムはイギリス軍の到着に備えて1人で導火線の切断を行う羽目になり、敵に見つかってしまうのだった。それを知ったベイはフォン・クリステンシュタイン将軍にガザからの援軍を依頼しようとするが、シラーはこれもガザに真の攻撃を行うための陽動作戦であると信じおり、ベイが掛けようとした電話を切断するのだった。

ベエルシバに迫ったイギリス軍では、オーストラリア軍のヘンリー・ジョージ・カーベル中佐がイギリス兵に前進を指示し、オーストラリア軽騎馬隊には予備のための待機を命じていた。そして攻撃が開始されるが、インディは伝書鳩を飛ばし、作戦の失敗とカジムが捕らえられてしまったことを味方の本隊に連絡しようとする。このとき、彼はメイヤに真の攻撃目標がベエルシバであることを告げるが、彼女は次の瞬間に伝書鳩を撃ち殺し、インディを裏切ったのだった。イギリス軍の本隊は井戸を守るという作戦が失敗し、やがてガザからも敵の援軍が現われるであろうことを知らずに戦いを続けることになる。

メイヤはインディをベイのもとへ連行し、将校たちの前でイギリス軍の攻撃計画について報告した。するとシラーがカジムを伴って現われ、改めてベエルシバへの攻撃が陽動作戦であると主張する。カジムが、自分たちはメイヤが二重スパイであることに気づいており、彼女を利用して偽の情報をもたらしたのだと白状したのだ。インディはカジムにこれ以上喋るなと命じるが、カジムは真の攻撃目標はガザであると言ってしまう。インディは拘束を振り切り、隠し持っていたナイフで相棒の胸を突き刺すのだった。インディは再び拘束され、カジムの死体は運び出された。シラーはベイに、援軍は必要ないと告げるのだった。

そのころ、カーベル中佐はトルコ軍を驚かすため、イギリス騎兵隊に代わってオーストリア軽騎兵隊にベエルシバを攻撃するよう命じていた。また、ベエルシバでは死んだはずのカジムが復活し、なんとか逃走してインディを解放する。彼らはオーストラリア軍がトルコ軍の鉄砲隊に向かって前進しているのを確認すると、再び導火線の切断作業を開始するのだった。一方、ベイ大佐はインディがカジムを刺すのに使ったナイフを調べ、それがトリックナイフだったことを知る。彼はシラーの愚かさを責めると、偽の情報を本物と思わせる者ほど優秀なスパイなのだと言い捨てた。やがてインディとカジムは1つを除くすべての井戸の周辺で導火線の切断を終え、最後の井戸で作業に取り掛かっていた。このときベイが井戸を爆破するよう命じ、インディとカジムの目の前で最後の井戸が爆発する。インディは敵が配線を修復するのを阻止しなければならないと告げるのだった。

オーストラリア軍はベエルシバへ向けて前進を続け、デックスが射殺されてしまう。それでも彼らは駐屯基地に到達し、トルコ軍との戦いを開始した。一方、インディとカジムは司令塔へ行き、爆弾を操作するスイッチ板を探し始める。ベイは駐留軍へと逃走し、シラーは機関銃でインディとカジムを制止した。だが、そこへジャックが馬に乗って到着し、シラーの手から銃を払い落とす。シラーは塔へ逃げ込み、爆弾を起動させるよう命じた。しかし、間一髪でインディも駆け込み、スイッチに手を掛けたトルコ兵を射殺することができた。シラーはインディに襲い掛かり、2人は取っ組み合いの格闘を開始する。最終的に、シラーがスイッチに手を掛けた瞬間に、インディは彼を射殺したのだった。

軽騎兵隊は首尾よくベエルシバを占領することができた。インディはジャックに、予定通りクリスマスまでにはエルサレムに入ることができるだろうと告げる。するとジャックは、その時期にはこの上なく相応しい場所だと答えた。こうして兵士たちはようやく休息を得ることができ、価値ある水を存分に飲んだのだった。

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