16. イノセント・ストーリー Tales of Innocence

作品について

このエピソードは「ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ」の第16話として放映された「1918年 6月 北イタリア」と、新たに作られた「1918年 8月 モロッコ」を組み合わせ、1つのエピソードとして再編集した作品である。シリーズ再編後は基本的にタイムラインに沿った順番でチャプター番号が振られているが、チャプター16と17は例外であり、当初発表されていたタイムラインでは17の後半(トランシルバニア編)、16の前半(北イタリア編)、17の前半(イスタンブール編)の順となっている(モロッコ編は時期不明)。しかし、チャプター16の北イタリア編とモロッコ編が再編集の際の追加シーンによってスムーズに繋がっているため、間にイスタンブール編の入り込む余地がなく、時代設定に矛盾が生じてしまっている。劇中には何年何月かを表す描写が一切ないため、時代設定が変更されたと考えるべきだろう(これはチャプター13、14 などでも同様のことが起こっている)。

北イタリア編は海外でテレビ放映されたのみであり、モロッコ編はシリーズ再編の際に作られた追加エピソードであるため、海外でも単独でのテレビ放映はされていない。再編集によってチャプター16となった後の作品はビデオ化されている(国内版は既に絶版)。

なお、北イタリア編に含まれていた1990年代の老インディのセクションは再編集の際にすべてカットされている。

ストーリー

1918年 6月 北イタリア Northern Italy - July 1918

インディは北イタリアの山岳地帯に配置され、ドイツ軍の背後に潜伏しながら、オーストリア軍に在籍するチェコの徴集兵たちに脱走を促そうとしていた。そのため、彼は遺棄されたトンネル内で少数の兵士たちと継続的に接触し、脱走計画を練っていたのである。このような会合の1つを終えた後、彼は別のスパイと接触し、戦線を越えて送り返すべき文書を受け取った。そして、イタリア側のノーマンズランドを渡って帰還したインディは、体をきれい洗い、ガールフレンドのジュリエッタに会いに向かう。その途中、彼は2人のアメリカ人が運転する救急車をヒッチハイクするが、その1人はインディのベルギー軍の制服を見て、彼を笑いものにするのだった。インディはその嘲笑を理解できない振りをし、フランス語で返答する。やがて村に到着すると、インディは英語で乗せて貰った礼を告げ、おしゃべりな男を困惑させると共に、もう1人の男を笑わせたのだった。

町外れにあるジュリエッタの家を訪れたインディは、彼女に1輪のバラをプレゼントした。だが、彼女がそれを花瓶に挿していると、彼女の祖母が、もう1人の求愛者はバラの花束を持ってきたと指摘する。彼女はインディに、もっと頑張れと告げるのだった。

その後、インディがバーで悲しさを紛らわせていると、もう1人の方の救急車の運転手が歩み寄ってきた。彼はアーネスト・ヘミングウェイであると自己紹介する。インディはアーネストに自身が抱えている問題を告げ、恋敵が優勢かもしれないと相談する。それに対してアーネストは、愛も戦争のようなものであるといい、その少女を求めて戦うべきだと助言した。やがて2人は泥酔し、アーネストはインディを応援すると約束したのだった。

数日後、インディは彼の扇動する潜在的逃走兵の一団と会うため、ドイツ軍の戦線を渡る。だが、彼が会合場所に到着したときには、既に無人だった。するとグループの1人が現れ、他の兵士たちは予備戦線に駆り出されたため、翌日にならなければ戻らないと告げる。その後、彼らはイタリア側へと横断するのだった。

イタリア側に戻ったインディはさっそく着替えると、プレゼントとして12本のバラと3箱の石鹸を持ってジュリエッタの家へと向かった。だが、ライバルがさらに多くの花束と、チョコレート1箱を贈っていたことが判明する。そこで彼はジュリエッタに散歩に行こうと提案するが、結局は彼女の祖母に付き添われてしまうのだった。だが、インディはジュリエッタと2人きりになりたいと考え、彼女を引きずるようにして走り出す。やがて彼らは村の広場の雑踏で祖母を見失った。そして町外れの丘の上でインディは彼女に、彼が直面する危険について訴える。彼は心配のあまり涙するジュリエッタとキスを交わすが、このとき不幸にして祖母が2人に追いついたのだった。

翌日、ドイツ軍の戦線を渡ったインディは、ドイツ軍が72時間以内の攻撃を計画していると知らされる。そのため、彼は脱走者たちを従えてノーマンズランドへと向かう。ドイツ軍は自分たちへの攻撃を開始するが、イタリア軍も反撃を行い、逃走者たちはその場を突破したのだった。

その夜、ジュリエッタの家では彼女の父親がチェロを演奏し、彼女がピアノを演奏していた。彼女の弟アンベルトはインディに、ライバルもチェロを弾くのだと告げる。そこでインディが彼女の母に、自分はフルートを演奏すると話すと、母はそれはロマンチックな楽器だと感心するのだった。母はインディを翌日の晩餐会に招待する。明日はジュリエッタの誕生日パーティが行われるのだ。

その後、部隊に戻ったインディはミュージシャンからフルートを借りようとする。だが、残念なことに最近のフルートはインディが演奏法を知っている昔のフルートとは違うのだ。結局、彼はサックスを吹くことになり、アーネストは彼に、失敗するはずがないと告げるのだった。

そしてジュリエッタの誕生日の夜、インディは花束とプレゼント、そしてサックスを携えて現れた。だが、その姿を見た彼女の父は取り乱し、台所にいる妻のもとへと急行する。実は、父はもう1人の男を招待していたのだ。それを知ったジュリエッタは人生の破滅だと号泣し、一家は台所で大喧嘩を繰り広げる。そのときドアの呼び鈴が鳴り、インディが応じてドアを開けると、そこにはアーネストが立っていた。2人はゆっくりと状況を理解し、お互いがライバルだったことに気づくのだった。彼らは殴り合いを始めるが、すぐに家族が現れ、にこやかに夕食の準備が整ったと告げる。食事の席で、インディとアーネストは食べ物を褒め称えながら、お互いを蹴落とすことに懸命だった。そして大食い勝負に負けたアーネストは言い訳をして席を立つが、インディが家族と会話をしていると、部屋にチェロの音色が流れてくる。一家はその美しい音楽に感動し、ジュリエッタも居間に入ってピアノでアーネストとの共演を開始した。するとインディはサックスを掴み、3人はウイリアム・テルの序曲の活発なバージョンへと突入したのである。やがて2人は家を出ると、家の前の芝生の上でこれは戦争だと言い合うのだった。

数日後の夜、アーネストはコンサルティーナでジュリエッタのためのセレナードを歌いながら現われた。数分後には、インディもトルバドールの小バンドを従えて現われる。こうして2人の争いはエスカレートしていった。アーネストはインディからの花のプレゼントを阻止し、インディはアーネストのズボンに痒くなる粉を振り掛ける。結局、2人はこのままでは共倒れになるだけだと悟るのだった。彼らはジュリエッタに会いに行き、彼女自身にどちらをとるか選んでもらおうと決断する。だが、2人がジュリエッタの家に到着すると、彼女はウェディング・ドレスに身を包んでいた。彼女は旧友アルフレッドとの結婚が決まっていたのである。

落胆した2人は兵舎へと帰るが、その途中も口論を続け、ドイツ軍の戦闘機による空襲にまったく気づいていなかった。アーネストは突然足に榴散弾を受け、彼を助けに入ったインディも爆発の衝撃で飛ばされ、意識を失ってしまう。アーネストはなんとかインディを引きずり出し、彼を保護したのだった。その後、2人は軍事病院で回復し、アーネストは切望していた勲章を手にする。一方、インディは次の任務のため北アフリカに派遣されるという知らせを受け取っていた。2人は戦争が終わった後、再会することを約束する。そしてちょうどそのとき、目の前に美しい看護婦が現れるが、彼らはもう二度と同じ女に恋しないことを誓うのだった。

1918年 8月 モロッコ Morocco - August 1918

負傷したインディは北アフリカへと派遣され、モロッコに展開中のフランス軍外人部隊に参加していた。彼は自分たちの中に潜む裏切り者の正体を暴こうとする傍ら、ベルベル族の部族民と戦い、作家イーディズ・ウォートンとの一時的な恋の戯れを経験することになる。

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