このエピソードは「ヤング・インディ・ジョーンズ・クロニクルズ」の第31話として2時間枠で放映された同名のエピソードを再編集した作品である。
本エピソードは海外でテレビ放映されたのみだが、その後ビデオ化されている(国内版は既に絶版)。
インディとレミはアフリカ戦線を離れ、ベルギー諜報部に入るためフランスに帰還していた。塹壕でありとあらゆる恐怖を味わったインディは、戦争を終わらせるための努力をしたいと考えていたのである。そこで2人はスパイ戦略に関する講義を受けることになるが、インディはベルギー諜報部がフランスやイギリスのそれと比べて、余りにもお粗末なものであることを痛感するのだった。
インディは、自分たちがこの戦争に対してこれまでとまったく違う方法で関わるつもりなら、フランス情報局に移籍しなければならないと考えた。そこで彼は、自分たちに宛てたフランス情報局への転属令状を偽造し、レミにそれを届けさせる。やがて2人はフランス情報局本部に召集されるが、そこではベルギー軍における兵役記録が傑出していることと同様に、偽造した転属令状の出来栄えも素晴らしいと告げられるのだった。彼らは刑務所に送られることを考え始めるが、以外にも情報部は彼らのような兵士を使いたいのだと申し出る。2人は料理が得意かと聞かれ、レミが得意だと答えた。次に飛行機の操縦経験を聞かれ、インディは家事をするほどではないが一応できると答える。すると、レミはブリュッセルの喫茶店での連絡員に任命され、そこでベルギーの地下組織と接触するよう命じられた。一方、インディは正式な任務が決まるまで西部戦線に戻り、第124中隊で偵察用の写真係のポストを与えられる。第124中隊はフランス軍に属するアメリカ人義勇兵の一団だったのだ。こうしてインディとレミは別々の任務に就くことになり、レミはベルギーでの任務に備えて準備を行いつつ、インディに別れを告げたのである。
中隊基地に到着したインディはラオール・ラフベリーと会い、自分の任務がハロルド・グリーン中尉と飛ぶことであって、写真の分析ではないことを告げられる。続いて彼は第124中隊のメンバーに紹介され、その1人がかつて父の教えていた大学で使いをしていた相手、ホビー・ベイカーであることを知るのだった。そこでインディは、これまでの写真係が最長で8日間しか生きられなかったことを聞かされる。そして翌日、インディが中隊の写真を撮ろうとすると、フランス軍のエース・パイロット、シャルル・ナンジェッセーが到着した。インディはナンジェッセーが中隊で一番のパイロットだと聞かされるが、その包帯だらけの姿を見た後では、歩く事故としか思えないのだった。
ニベル将軍は、敵軍のおよそ40キロメートル後方にあるハムの操車場で建造されているという兵器の写真を必要としていた。説明を受けたインディはさっそく写真を撮るために敵の領域内を低空飛行し、最初の危険を味わうことになる。彼はなんとか写真の撮影を行ったが、ドイツ軍の戦闘機中隊が攻撃を仕掛けてきたのだ。インディの搭乗する機に敵の銃弾が命中し、グリーンは車輪が脱落したのではないかと考える。彼はインディに、翼に登って車輪の有無を確認するよう指示した。また、グリーンはドイツ軍からの砲火を避けるため機体を激しく動かすことを強いられ、インディは辛うじてしがみつかなければならなかった。彼はなんとか車輪がまだあることを確認するが、飛行機が再び被弾し、敵の領域内への緊急着陸を余儀なくされる。そして彼らは墜落した機から逃走するが、グリーンはドイツ兵に腕を撃たれ、2人とも捕まってしまった。すると、後に「レッド・バロン」の異名で知られることになるドイツ軍のエース・パイロット、マンフレッド・フォン・リヒトホーフェン男爵が着陸し、墜落した飛行機は自分の手柄だと主張すると、インディとグリーンを自分の捕虜とする。グリーンは病院へ連れて行かれ、インディは「客人」としてフォン・リヒトホーフェンの城での昼食に招かれた。一方、他のメンバーは第124中隊の基地に帰還して事実を報告し、ホビーが直ちにインディとグリーンの捜索に向かうのだった。
フォン・リヒトホーフェンの城で、インディは男爵の弟から、男爵にとって敵機を撃墜することがいかに大きな人生の喜びであるかを聞かされた。この兄弟はカラフルなスカーフに刻まれた騎士の柄をたいへん気に入っており、戦闘機こそが自分たちの馬なのだと主張する。そこでインディも、機体を赤く塗ればいいと提案するのだった。また、フォン・リヒトホーフェンはインディに、弟を撃墜したナンジェッセーのことを知っているかと尋ねた。男爵はナンジェッセーに弟の雪辱を誓っており、インディの目の前で、彼に空中戦を申し込む挑戦状を書き始める。その後、インディはドイツ軍の捕虜収容所へと連行され、フォン・リヒトホーフェンは自分の飛行機を赤く塗るよう命じるのだった。
収容所へ向かう途中、インディは拘束状態からうまく脱出し、ドイツ軍の自動車を奪って逃走した。そしてホビーが飛行機上から彼を発見し、拾うことに成功する。2人はそのまま基地へと戻るが、ちょうどそのとき、ドイツ軍機がナンジェッセーに対するフォン・リヒトホーフェンの挑戦状を投下したのだった。このときナンジェッセーはパリにいたため、中隊の残りのメンバーが彼に挑戦状を届けることになる。するとナンジェッセーはその挑戦を受け入れ、自分の勝利の記録を撮影するため、インディに随行を依頼した。インディはホビーと共にしぶしぶ同意し、翌日、2人はナンジェッセーと共に指定された決戦場へと向かうのだった。
ナンジェッセーはなんとかフォン・リヒトホーフェンの機を撃墜するが、インディとホビーは敵機が墜落したかどうか確信がもてずにいた。その間にドイツ軍の1個中隊も奇襲を開始し、ナンジェッセーも撃墜されてしまう。その後、インディとホビーは基地に戻り、ナンジェッセーがフォン・リヒトホーフェンを撃墜したことを示す写真を現像するのだった。やがて、ナンジェッセーも彼が墜落されたノーマンズランドで救助され、基地へと帰還する。そして彼は仲間たちに、フォン・リヒトホーフェンも辛うじて着陸したはずだと告げたのだった。
ドイツに戻ったフォン・リヒトホーフェンは、ドイツにおける戦闘機設計の第一人者アンソニー・フォッカーから、彼の設計した最新型戦闘機を紹介されていた。このフォッカーDR-1トリプレーンは、ナンジェッセーに撃墜された男爵の愛機アルバトロスより格段に強力な機だったのだ。一方、フランス軍基地ではナンジェッセーがインディに別れを告げ、再びパリへと向かうが、彼はインディの任務が終わり次第、彼をパリへ連れて行くと約束していた。また、フォン・リヒトホーフェンは新聞でインディが撮影した写真(自機が撃墜された瞬間の写真)を発見し、弟に次回はまず写真係を撃墜しようと告げたのだった。
インディは翌週に命じられた多くの任務でも何とか生き延びたが、中隊での任務の最後の日、彼はラフベリーに呼ばれ、情報部がもたらしたドイツ軍の新しい飛行場に関する報告を聞かされる。情報部はそれがドイツ軍によって最近行われている夜間爆撃の基地であると信じていた。インディは再びホビーと共に飛び、その飛行場の所在を正確に判断するための写真を撮影するよう命じられる。第124中隊は敵陣の上空を飛行し、インディは写真を撮影するが、フォン・リヒトホーフェンとドイツ軍戦闘機中隊による攻撃を受けた。フォン・リヒトホーフェンは計画通りインディとホビーの機を攻撃し、彼らは地上へ向かって落下し始める。だが、何とか態勢を持ち直し、基地内の平地に不時着することができた。その後、立ち去る準備をしていたインディはホビーとラオールから、ウィルソン大統領がドイツに宣戦布告し、アメリカがついに戦争に参加したということを聞かされる。このとき、ラオールは第124中隊がアメリカに引き渡されるだろうと告げるが、インディは二度と戦闘機で飛びたくないと答えるだけだった。
その直後、ナンジェッセーがインディをパリへ連れて行くために現われた。その途中、ナンジェッセーはインディに、彼が特別な任務に割り当てられたことを告げる。ナンジェッセーはフランス情報局本部でインディを降ろし、インディは報告を済ませた後、次の作戦についての説明を受けた。その内容は、アンソニー・フォッカーと接触し、彼にフランスへの亡命を説得するというものである。インディはフォッカーに、条件を受け入れれば別の諜報員が接触し、ドイツからの脱出の際の便宜を図るというメッセージを伝えることになった。そして、彼は情報を聞くため13B室へ行くよう指示される。13B室に入ったインディは、ハノーバ行きの旅券と、旅行で使用する新しい身分を与えられた。次にインディは13C室へ行くよう指示され、そこでスパイ関連アイテムが詰まった服飾品一式を与えられる。スーツの中には地図が、右の靴にはカメラを作るための部品が、そして左の靴には伸縮式のナイフが仕込まれているのだ。彼はさらにスーツケースと透明インクの瓶を与えられ、続いて13A室へ行くよう指示される。そして13A室では、ドイツ軍基地へ向かう途中で滞在することになるハノーバのホテルでフォッカーと接触するよう命じられるのだった。
その後、インディはフランス政府からの申し出が詳細に記された書簡を与えられ、その夜ハノーバへ向かうよう指示される。そして出発のとき、インディは彼をハノーバまで乗せて飛ぶのがシャルル・ナンジェッセーであることを知るのだった。だが、ナンジェッセーにはハノーバに着陸するつもりはなく、その代わりにパラシュートで降下しろと告げ、インディを困惑させる。結局、彼は街の真ん中に降下し、発見される前に何とかパラシュートを隠すことができた。その後、彼はフォッカーが滞在しているホテルにチェックインするが、到着したときは既にフォッカーがホテルを去ろうとしているときだった。そのためインディは彼に書簡を渡すことができず、アルホルンへ向かう列車に乗ってフォッカーを追うことになる。だが、フォッカーはドイツ軍将校のワーナー提督とフォン・クレーマー将軍と行動を共にしており、接触を試みることは困難だった。そこでインディはスチュワードに変装し、食事中だったフォッカーのスーツに書簡を忍ばせたのだった。やがて彼らはアルホルンに到着し、インディはフォッカーの助手を装って彼と共にドイツ軍基地へと向かう。一方、ナンジェッセーはハノーバでインディの帰還を待っており、日暮れまでに彼が現われなければ、1人で出発しようと考えていた。
インディはフォッカーのカバンを彼の部屋へ運び、ようやく彼との交渉を始めることができた。インディはフォッカーに書簡を渡すが、その返答を聞く前に、ワーナーとクレーマーが飛行機設計者ウィリアム・フォルスマンとドイツ軍将校たちからの賛辞を伴ってフォッカーの部屋を訪れる。インディは部屋の隅に隠れ、フォッカーがフォルスマンから、彼の新しく設計した戦闘機がこの日遅くに到着する予定だと告げられているのを聴いていた。そしてフォッカーが彼らと共に部屋を出ると、インディはフランス情報局に宛てた手紙を書く。それはホテルの予約依頼を偽装した内容だったが、実際には透明インクで新型秘密兵器に関する警告が書かれていたのだ。
その後、インディは再びフォッカーと会うことができたが、彼はフランスからの報酬が少なすぎ、なおかつドイツ軍の設備の方がはるかに優れていると主張し、亡命に興味がないことを告げる。そこでインディは彼に、自分の仕事が善悪どちらの側で利用されるか気にならないのかと尋ねた。だがフォッカーによると、戦争時には政府が兵器開発に資金をつぎ込むため科学が発達し、そして結局は科学の進歩によって人類が利益を得るのだという。彼はインディに帰るよう指示し、インディはフォッカーのタバコ箱を盗んで部屋を出た。その後、彼は兵舎に侵入してドイツ軍の制服を盗むと、フランス情報局から与えられた部品とタバコ箱で間に合わせのカメラを作成したのだった。
そのころ、フォン・リヒトホーフェン男爵もフォルスマンの発明を見物するため、アルホルン基地に到着していた。ドイツ兵に変装したインディも発明を見に行く車の1つに忍び込み、飛行場へと向かう。そして到着したインディは、10個のエンジンを搭載したフォルスマンの奇怪かつ巨大な三翼機を目撃することになる。この新型戦闘機はドイツからニューヨークまで飛行し、爆撃を行うことができるというのだ。フォッカーは自分がここで働けるなら、飛距離を2倍に伸ばせると主張する。このときインディは格納庫の天井裏からこの戦闘機の写真を撮影していたが、フォン・リヒトホーフェンに見つかってしまった。そこでドイツ兵がインディを拘束するために駆けつけるが、彼らの銃撃によって格納庫にあった燃料に火がついてしまう。インディが錯乱状態になって逃走するなか、火の手はツェッペリン飛行船の格納庫にあった水素にまで回っていた。その結果、大爆発によって飛行場全体が炎の海と化し、フォルスマンの三翼機も完全に燃えてしまう。だが、インディは盗んだオートバイでハノーバへと逃走する。彼はナンジェッセーが帰還する時間に何とか間に合い、2人でパリを目指すのだった。