キャラクター・ガイド

マリオン・レーヴンウッド Marion Ravenwood

登場話:
24
キャスト:
カレン・アレン

Marion Ravenwood

マリオン・レーヴンウッドは少女の頃から特権的に海外を何ヶ国も旅していたが、その経験は決して贅沢なものではなかった。彼女は失われた契約の聖櫃の探求にとりつかれた著名な考古学教授、アブナー・レーヴンウッドの娘だったのだ。老レーヴンウッドは聖櫃の眠る場所に関する手がかりを求めて世界中を旅しており、彼はその探求のなかで、マリオンをみすぼらしい危険な場所へと連れて行ったのだった。

父と娘だけで次々と居場所を変える生活は、孤独そのものだった。アブナーの最も信頼するかつての教え子であり、子供の頃を一緒に過ごしたインディアナ・ジョーンズとロマンチックな関係が結ばれたのも、おそらくはこの孤独感によるものだったのだろう。

インディとマリオンの最初の出会いは、彼が26歳の大学院生のときであり、当時、マリオンはまだ10代の少女だった。彼には、恩師の娘との恋愛がアブナーとの関係に悪影響を及ぼしかねないことはよく分かっていたが、インディはそれでも関係を継続させていた。後に、マリオンはこの恋を少女時代の純真さによるものだと考えるようになったが、インディの考えは違っている。彼はマリオンの心の強さを知っており、やがて訪れる結果についても、彼女なら十分に理解していたはずだと考えているのだ。

このような経緯の結果、ジョーンズは10年間、レーヴンウッド親子から遠ざかることになる。アブナーとインディは互いにマリオンのことで関係を悪くし、2人は何年もの間、言葉を交わさなかった。アブナーがシカゴ大学を解雇されたのもこの頃である。インディに激怒したマリオンは安易な結論を求め、不幸のどん底に陥った責任を彼に負わせることにしたのだった。

もはや大学からの援助はないものの、アブナーはそれでもなお聖櫃の探求を続けていた。そして、アジアで手がかりを得た彼は、ついにネパールへとたどり着く。彼はそこに定住することを選び、無鉄砲な居酒屋兼宿屋、「レーヴン」のオーナーとなったのである。

マリオンはアブナーを愛していたが、ネパールの田舎町パタンで暮らし、乱暴で危険な常連客に飲み物を出さなければならない生活に憤慨していた。また、アブナーも手がかりを得られるという妄想にとりつかれていただけだったのだ。そして、マリオンをおいて1人で外へ出て行ったとき、アブナーは雪崩に巻き込まれ、情熱を運命の中へ失ったのである。

マリオンはレーヴンを引き継いだ。筋骨逞しいバーテンダー、モーハンと共に、彼女はパタンで生活するようになる。彼女はレーヴンで得られるわずかな収入を、酒飲み大会で2倍の大きさの逞しい対戦相手を打ち負かすことで補っていた。しかし、アメリカに帰るためにはまだ十分ではなかった。そして1936年、そのチャンスがドアをノックして現れたのである。

Marion Ravenwood

彼女の生活のなかに戻ってきたインディアナ・ジョーンズは、アブナーの遺品に3,000ドルを払うと申し出る。彼女は最後にインディを牽制して楽しみながら、遺品の所在について無知を装った。しかし、彼と同じものを求めるドイツの工作員が現れると、状況が一変する。インディが助けに入ってきたとき、ゲシュタポの工作員、アーノルド・トートは焼けた暖炉の火かき棒を彼女に近づけ、尋問しているところだったのだ。

激しい乱闘が開始されるが、マリオンは大事な遺品、ラーの杖の王冠を持って無事に脱出することができた。しかし、酒場は炎に飲み込まれてしまう。もはやネパールに固執する理由のなくなった彼女は、インディの旅の次の目的となるカイロへと同行したのだった。

聖櫃を探す途中、インディとマリオンは雑多に賑わうカイロの市場で、地元の暴漢に殺されかける。インディは暴漢を払いのけることができたが、マリオンは捕らえられてしまった。彼女はドイツ軍の聖櫃探索部隊を指揮するフランス人考古学者、ルネ・ベロックのもとへと連れて行かれたのである。

ベロックは長年にわたるジョーンズの天敵であり、彼女にインディの居場所と行動について質問しようとする。ベロックの尋問テクニックは、トートの野蛮な方法と比べてはるかに文化的だった。彼はマリオンにご馳走を振舞い、酒を勧め、美しい白いドレスを与えたのである。未知の征服者を自負する傲慢なベロックは、その好色な視線をマリオンへまっすぐに向けていたのだった。

生き残る術に長け、強い意志を持った彼女は、ベロックの誘惑を簡単に退ける。しかし、ドイツの工作員は時間の浪費でしかないフランス人のやり方に飽き飽きしていた。彼らは聖櫃を確保すると、インディを魂の井戸の中に捕らえ、マリオンもドイツ兵によってジョーンズと共に埋葬されるために穴へと落とされたのである。

2人は何とかヘビの穴から脱出し、インディは聖櫃へと追いつくことができた。マリオンは彼の友人サラーに助けを求め、海賊船バンツー・ウィンド号でカイロからの脱出を試みる。そして、マリオンとインディは船の中で短く暖かい時間を共有するのだった。だが、ドイツの潜水艦が素早く姿を現し、バンツー・ウィンド号は敵に制圧されてしまう。聖櫃は再び彼らに奪われてしまうのだった。

ドイツ軍の捕虜となったインディとマリオンは、聖櫃の開封の儀式に臨むため、杭に縛り付けられた。だが、聖櫃の中に恐ろしい力が封じられているという伝説を覚えていたインディは、マリオンに何が起こっても決して目を開けるなと警告する。そして、聖櫃の力は壮絶な姿となってベロックとドイツ人たちを滅ぼした。しかし、インディとマリオンはそこで起きたことを何も見ておらず、神罰を免れたのである。

探索を終えたインディは、マリオンと共にアメリカへと戻った。彼は多額の報酬を得たが、聖櫃の所有権を政府から奪うことはできなかった。政府は国立博物館がこの神聖な遺物の所有者となるというワシントンのエージェントからの約束を反故にしたのである。

アメリカに戻ったマリオンとインディは、さっそく過去のロマンスを再燃させようとした。しかし、インディの遺物への情熱は、彼を世界中へと旅立たせ、同様に、故郷で新たな自由を得た彼女も、せわしなく動き回ることになる。帰国した直後から、彼女はジャーナリズムの世界を志し、さらにニューヨークの街で新しいナイトクラブ「レーヴン・ネスト」をオープンさせたのだった。

ルネ・エミール・ベロック Rene Emile Belloq

登場話:
24
キャスト:
ポール・フリーマン

Rene Emile Belloq

ルネ・エミール・ベロックは、卑劣で陰険、そして狡猾な、インディアナ・ジョーンズの宿敵である。他者がハードな作業や忍耐によって考古学的偉業を達成すると、ベロックはしばしばそこに割り込み、それを奪い取ることで、自分の発見にしてしまおうと考えているのだ。

かつてのベロックは他の善良な考古学者たちと同様に、過去を明らかにし、それを博物館で大衆に公開することを興味の対象としていた。彼はフランスのいくつかの有名大学で歴史を学び、その後、ソルボンヌやルーブルで芸術と考古学の研究を行っている。ベロックはそこで、ドミニク・ヴィヴァン、ジーンズ=フランソワ・シャンポリオン、オーギュスト・マリエット、その他多数のフランス史に残る偉大な考古学者たちの足跡を辿ったのだった。

ルネ・ベロックとインディアナ・ジョーンズの出会いは、2人が1920年代にソルボンヌで学んでいたときのことである。ベロックは考古学修士の学位を獲得しており、層位学に関する洞察力に富んだ論文によって、フランス考古学会賞を受賞した。ジョーンズは、彼が自分の研究内容を盗用したと主張していたが、それを証明することができなかったのだ。

仲間の修士たちと共にソルボンヌ大学を卒業したベロックは、その直後にルーブル美術館からの依頼を受け、発掘調査の遠征旅行に着手した。その間に、ベロックが不適切な仕事上の付き合いを利用し、疑わしい方法でイランの発掘現場から中世ペルシアの工芸品を獲得したという告発があったが、この出来事に関する完全な調査が行われることはなかった。この事件を巡って、ベロックの助手たちを含む数名が死亡しており、大英博物館から派遣された別の考古学者も何者かによって殺害されたのである。

ベロックはルーブル美術館を解雇され、金目当ての考古学者となった。彼は自分の遠征に十分な融資を行い、自分の発見に博物館以上の高額な報酬を支払ってくれる個人収集家のために働くようになったのだ。ベロックの依頼人や接触者はあらゆる方面にわたり、次第に危険な人物たちも増えていった。やがて、彼はその曲がりくねった無節操な経歴の中で、デートリッヒという名のドイツ軍将校と出会った。数年後、デートリッヒは彼を最も重要な任務のために雇用することになる。

1934年の夏、インディアナ・ジョーンズは、紀元前に存在したとされる古代遊牧文化の名残を求め、サウジアラビアのラブ・アル・カリ砂漠への発掘遠征を計画していた。彼は中世ローマ時代から19世紀にかけてその地を訪れた旅行者たちの手記を読み、目的地の調査に数ヶ月を費やした。そして、ジョーンズは博物館の館長であるマーカス・ブロディや、他の博物館、富裕な慈善家たちからの融資を求めたのである。こうして、彼は旅費、物資、労働力のすべてを揃えることができたのだった。

Rene Emile Belloq

しかし、インディが目的地に到着すると、彼が探索を計画していたのとまったく同じ場所で、ベロックが既に広範囲な発掘作業を行っていた。ベロックがジョーンズ(や、他のライバルたち)の一歩先を行っていたことは明らかだった。この発掘は無駄骨だったことが証明されたが、ジョーンズとベロックとの間の敵意は増大し続けることになる。

そして1936年初頭、インディはペルーのジャングルにあるチャチャポヤン寺院で、黄金の戦士像を発見する。だが、このときもベロックが姿を現し、ホビト族の槍の脅威に対して無防備だったジョーンズから、この工芸品を迅速に奪い取ったのだった。狡猾なフランス人はホビト族の使う未知の言語を習得していたため、彼らと共に神への忠誠を示すことができたのである。

同年、ベロックは失われた契約の聖櫃を探求する考古学的発掘調査のため、ナチスに雇われた。一方で、インディもナチスより先に聖櫃を見つけるため、アメリカ軍諜報部に雇われる。2人のライバルたちは、失われた聖櫃が眠るという伝説のある魂の井戸を発掘するなかで、再び同じ道を交差したのである。だが、聖櫃の手がかりは、2人のライバル考古学者たちが争った唯一のものではなかった。魂の井戸を探す途中、ベロックはインディのかつての恋人、マリオン・レーヴンウッドと顔を合わせたのである。

探索を中止しろというジョーンズへの警告のため、ドイツの工作員は賑わうカイロの市場でマリオンを誘拐する。また、ベロックは飲み屋で聖櫃の驚異について議論するため、インディとの短い会合を行った。インディはこの緊迫した状況のなか、辛うじて気性を抑えることができたが、流血の事態となる前に、友人のサラーによって救われる。発掘現場で、ベロックはマリオンを酔わせ、もてなすことで、ジョーンズに関する情報と彼が聖櫃をどこまで追跡したかを聞き出そうとするが、大人の世界を熟知していた彼女はベロックの色仕掛けを容易く跳ね除けたのだった。

一方で、ベロックのドイツ人の監視役デートリッヒ大佐と、ゲシュタポの工作員アーノルド・トートは、フランス人の個人的欲求に飽き飽きしており、彼のやっていることを時間の浪費だと考えていた。やがて、インディが先に聖櫃を発見するが、彼は発掘現場に侵入しているところをドイツ軍兵士によって発見され、魂の井戸に閉じ込められてしまう。ドイツ軍兵士はデートリッヒの命令に従い、インディと共に生きたまま埋葬するため、マリオンを井戸へと投げ込んだ。ドイツ軍は聖櫃を手に入れ、ベロックも任務を成功させたのである。

ささやかな祝賀会が行われていたとき、ジョーンズとレーヴンウッドは魂の井戸から脱出し、インディは聖櫃を運んでいたトラックを奪取することに成功する。インディとマリオンは貨物船バンツー・ウィンド号でイギリスを目指した。しかし、ナチスはUボート、ワーフラー号で追跡を開始し、彼らの船の制止させる。そして、ベロックは聖櫃を奪回するだけでなく、マリオンをも奪っていったのだった。

ジョーンズは彼らを追ってクレタ島北部にある秘密の潜水艦基地ゲヒムヘヴンへ行き、そこでドイツ兵に変装した。彼はパンツァーファウスト・ロケット・ランチャーで武装し、ベロックがマリオンを解放しなければ、聖櫃を破壊すると脅す。だが、ベロックはインディの脅しを受けて立った。彼は、ジョーンズにこのような神聖な宝物を破壊できるはずがないことを知っていたのだ。ドイツ兵はインディとマリオンを捕らえ、聖櫃を開く儀式を見物させるため、2人を杭に縛り付けたのだった。

ナチスの監視役は疑問を抱いていたが、ベロックは聖櫃の開封にユダヤ式の儀式を行うと主張した。聖櫃の中に恐ろしい力が封じ込められているという伝説を記憶していたインディは、何が起こっても決して目を開くなとマリオンに警告する。すると、聖櫃の超自然のパワーが炎の旋風となって現れた。神の怒りがベロックやドイツ人たちの肉体を焼き尽くし、破壊し、消滅させていく。神罰を受けたベロックが最後に発した言葉は「美しい」だった。

インディもマリオンもこの出来事を一切見ておらず、全滅の悲劇を逃れることができたのである。

アーノルド・トート Arnold Toht

登場話:
24
キャスト:
ロナルド・レイシー

Arnold Toht

アーノルド・トートは臨機の才と狡猾さで名声を得た、ゲシュタポのトップ・エージェントである。トートはヒトラー総統をドイツの救世主として深く信奉しており、ナチス党とゲシュタポの教化の中に埋もれていった。彼と、その仲間であるゲシュタポの同胞たちは、格闘技、尋問、拷問、諜報活動などを訓練され、アーリア人社会の神秘や信念に深く熟練していたのだ。

だが、トートは迷信を信じるほど愚かではなく、人々が超常現象であると訴えるものには懐疑的だった。しかし、彼は総統のリーダーシップを頑なに信じていたのだ。彼の主な目的はヒトラーを喜ばせることであり、ゲシュタポの教義の中に自らの立場を確保するべく、総統の命令を言葉どおりに実行していたのである。

ナチス親衛隊やドイツ軍事政権の上層部に多く見られるように、トートは純粋なドイツ人こそが優良種であり、世界を征服するために立ち上がるべきだと信じていた。血と精神の純粋さを通じて、彼らは自分たちこそが、大戦や共産主義者、ユダヤ人によって引き起こされた絶望と不況の底から、ドイツを導く選ばれし者たちであると信じていたのである。人種的かつ政治的純粋さを守るため、トートはナチスに、その至高の理念に対する脅威を滅ぼす権利があると信じていたのだ。

1936年、トートはラーの杖の王冠を入手せよという命令を受け取った。これは契約の聖櫃のある場所を探すために重要な役割を果たす品物である。トートはドイツ人の栄光を勝ち取るという目的のため、不屈の精神でその任務に取り組んだのだった。

トートは王冠を手に入れる際の手助けとするため、カトマンズの街路で数人の子分を雇い、パタンへ向かうインディアナ・ジョーンズを追跡した。そして、「レーヴン」という居酒屋の場所を見つけると、トートとその手下たちは店主のマリオン・レーヴンウッドを襲い、王冠の場所を話すよう要求したのである。

だが、トートの尋問はインディアナ・ジョーンズの到着によって失敗した。酒場は銃撃戦や殴り合いで大乱闘になり、トートの部下たちは全員死亡してしまう。トートは何とか修羅場を脱出するが、この事件の最中に焼けたテーブルの上で炎にさらされていたメダリオンを握り締めてしまい、手に大火傷を負ったのだった。しかし、その後も彼の掌には、メダリオンによる焼け跡がはっきりと残っていた。タニスの発掘現場で失われた聖櫃の捜索を指揮していたフランス人考古学者ルネ・ベロックは、その火傷の跡から、魂の井戸の正確な場所を特定するために必要なラーの杖の長さを知ることができたのである。

やがて、ベロックや仲間のデートリッヒ大佐と同様に、トートは恐ろしい最期を迎えることになる。聖櫃を開けるために選ばれた秘密の島で、聖櫃の持つ想像を絶する力が明らかにされたのだ。ナチスの尋問官の残虐性が、積年の苦痛や憎しみとして具現化し、ついに彼を文字通りに溶解させたのである。

デートリッヒ大佐 Colonel Dietrich

登場話:
24
キャスト:
ウルフ・カーラー

Colonel Dietrich

デートリッヒ大佐は、1936年、ナチス親衛隊によって、ルネ・ベロックの招へいと、契約の聖櫃の発掘作業の監督任務を与えられたドイツ軍将校である。この金目当ての考古学者との事前接触のため、ベロックと会い、報酬を提示したのもデートリッヒだった。

デートリッヒの最大の関心事はヒトラー総統の命令を実行することだった。そのために、彼は定期的に最新情報を更新するよう考古学者をけしかけ、それをベルリンへ中継していたののである。命令と適切な軍事手順の遵守に取り付かれたデートリッヒは、あらゆる問題に関して速やかな結果を期待しており、考古学的方法論にある忍耐をほとんど持ち合わせていなかった。彼の献身は間近に迫った重要な目的のみに向けられており、聖櫃に関する重要な情報を入手するため、ベロックに魅力的な囚人、すなわりマリオン・レーヴンウッドを(もてなす代わりに)拷問すると提案したときも、一切躊躇しなかった。

ベロックと彼のチームが聖櫃を確保し、邪魔なインディアナ・ジョーンズを魂の井戸に捕らえたとき、デートリッヒ大佐は部下の兵士にマリオンも同様に井戸へ落とすよう命じた。しかし、インディとマリオンは生き残る術を心得ており、魂の井戸から脱出すると、ベロックとデートリッヒ配下のナチス護送団から聖櫃を奪い返すことに成功する。そして、インディとマリオンはイギリス行きの貨物船バンツー・ウィンド号で聖櫃を運び出すが、ベロックとデートリッヒの部下たちはナチスのUボート、ワーフラー号で彼らを制止するのだった。ジョーンズは潜水艦にしがみついてクレタ島北部の秘密の島にある基地へと侵入し、ドイツ兵に変装する。彼はロケット・ランチャーを使い、聖櫃を破壊すると脅迫したのだ。しかし、ベロックはインディに降伏を促し、聖櫃の開封の儀式を見せ付けるため、ドイツ軍の捕虜となったインディとマリオンを杭に縛り付けるのだった。

ベロックが聖櫃を開ける際にユダヤ式の儀式を行うと主張すると、デートリッヒは根深い嫌悪感を抱いたが、最終的には妥協し、彼に許可を与える。すると、聖櫃の超自然のパワーが炎の旋風となって現れた。神の怒りがベロックやデートリッヒ、他のドイツ人たちの肉体を焼き尽くし、破壊し、消滅させたのである。

モンキー・マン Monkey Man

登場話:
24
キャスト:
ヴィク・タブリアン

Monkey Man

モンキー・マンとしてのみ知られるこの男は、1930代に絶えずカイロの路地裏に居座っていた傭兵である。彼はバイクに跨り、片目の隼のように愛車を吹かしていた。モンキー・マンは毛の生えた小さな相棒、訓練されたノドジロオマキザルの助けを借り、最高額を提示した相手に自分が見たことを報告していたのである。

モンキー・マンは怪しげなビジネスマンや違法な品物の売買を行っている者のために働くことが多かった。彼は財宝ハンターから古代エジプトの工芸品を入手し、国外に密輸しているという嫌疑を掛けられていたのだ。彼がカイロ周辺で多くの違法活動に手を出していたことは紛れもない事実である。

1936年、モンキー・マンはナチスに雇われ、失われた契約の聖櫃を探すためにアメリカから訪れた邪魔者、インディアナ・ジョーンズとマリオン・レーヴンウッドを監視していた。彼のペットは人間には入れない場所へも入っていくことができる。このサルはとりわけマリオンのような、愛嬌のある生き物の魅力に抵抗できない若い女性に効果的だった。サルは屋根裏から、あるいはバザーの露店から露店へと飛び移ることによって獲物をマークする、追跡者として行動していたのだ。

サルは成り行きに従い、レーヴンウッドとジョーンズにペットとして取り入った。そして、モンキー・マンはドイツ人からの命令を受け、インディのために用意されたナツメヤシの皿に毒を盛り、彼を殺害しようとする。しかし、皮肉なことに最初に毒の入ったナツメヤシを食べたのは彼のサルだった。サルの死体は、インディに危険を警告する役目を果たすことになる。

最大の友人を失ったモンキー・マンはその後、姿を眩ませたのだった。

サティポ Satipo

登場話:
24
キャスト:
アルフレッド・モリーナ

Satipo

サティポはバーランカとコンビを組んだ詐欺師兼盗賊であり、2人は南米のジャングルで詐欺行為を働いていた。彼らはマチェット・ランディングの植民地を拠点とし、自分たちをガイドに雇った冒険家を騙していたが、やがてそれは盗みや殺人へと発展していったのである。

サティポとバーランカは失われたチャチャポヤン戦士の神殿のおおよその場所を知っていたが(彼らは暗いジャングルへと導く地図の断片を持っていたのだ)、2人とも、黄金の戦士像の回収に乗り出すほど勇敢でもなければ愚か者でもなかった。彼らが案内した者は誰一人として戻ってこなかったのだ。そして、万が一その金像を発見した冒険家が現れたとしても、彼らはその冒険家を殺害し、財宝を持って逃げるつもりだったのである。

サティポは相棒よりも慎重で、心配性な男だった。彼はバーランカよりもわずかに背が高いが、目先の利益がない限り、野心も見せなければ、毅然とした態度もとることもなかった。財宝が目の前にあれば、サティポも勇気を持ってそれを手に入れようとするが、大抵の場合は、まず疑念と不安をあらわにする。彼は失敗するであろうあらゆる理由を強調し、常にバーランカの計画をこき下ろしていた。彼は自分の意見を口に出すことをほとんど躊躇せず、その内容は特に取引の交渉を行っている際に、バーランカをすぐに苛立たせていたのだった。

彼らがこうした交渉を行った最後の相手がインディアナ・ジョーンズである。2人は黄金の戦士像を回収するため、彼を伝説のチャチャポヤン神殿へと導いたのだった。先に動いたのはバーランカである。彼は神殿の場所が明らかになったとき、インディを背後から射殺しようと試みた。だが、彼はインディの鋭いムチの一撃によって武器を失い、ジャングルへと逃走する。1人でインディと共に神殿へと向かうことになったサティポは、自分はバーランカような不誠実な人間ではなく、相棒は気が狂っていたのだと弁明するのだった。

サティポが行動を決意したのは、インディが黄金の偶像を手に入れたときである。大きく開いた裂け目を渡る際、サティポは先にムチを使い、インディにムチと引き換えに偶像を渡すよう要求したのだ。しかし、サティポは当然のようにインディを裏切り、偶像を手に入れると、彼を裂け目の向こう側に置き去りにして逃げたのだった。

幸運にも、インディはジャンプして裂け目を飛び越え、脱出することができたが、サティポには運がなかった。彼は不注意な行動によってブービー・トラップに引っかかり、フォレストル(インディのライバルであり、彼より先にこの神殿を発見した人物)と同じ、串刺しの運命をたどることになる。

バーランカ Barranca

登場話:
24
キャスト:
ヴィク・タブリアン

Barranca

バーランカは南米のジャングルで詐欺を働いていた狡猾な盗人である。彼はもう1人の詐欺師サティポとパートナーを組み、2人でマチェット・ランディングと呼ばれる郊外の河川植民地から出稼ぎに出ていた。だが、彼らは仕事さえ手配してくれれば、ペルー、コロンビア、ベネズエラのいたるところで、誰とでも接触を行っていた。彼らが気に入っていた手口は探検家をジャングルへ案内することであり、その後、彼らは盗みを働くか、あるいは客を殺害していたのである。

2人は共謀して、思いつく限りの非合法活動に利益を求めていた。あるときはジャングルの原住民にジャンク品を渡し、価値ある宝石や工芸品を入手したこともあった。またあるときは、偽のジャングル遠征のための資金を集めていた。また、雇われの傭兵として働き、熱帯雨林に眠る財宝を探す探険家を待ち伏せしたこともあった。

バーランカは2人の中でも、特に血に飢えた頭脳派である。彼は取引を行い、条件について交渉し、報酬を持ち逃げすることだけを考えていたのだ。チャンスが与えられ、十分な利益が期待できれば、彼はサティポさえ即座に裏切っていただろう。

バーランカはジャングル・カーキ色の、汗と土にまみれたボロボロの服を着ていることが多かった。彼の麦わら帽子は使い古されているが、それには顔に陽光を当て、目から裏切りの真意を隠すという目的があったのだ。彼は人を欺き、実際よりも自分が弱者である、あるいは買収しやすい男であると思わせることで、相手に自分を信用するよう説得することができた。こうした才能によって成し遂げた成功の1つに、半分だけの古い地図を入手したエピソードがある。この地図は、バーランカをジャングルの奥深くに隠された、失われたチャチャポヤン戦士の神殿へと導いてくれるものだったのだ。

最終的に、バーランカは最後の客となったインディアナ・ジョーンズを殺害しようとして、自分の運命を満たすことになる。インディが失われた寺院への地図のもう片方の断片を持っていると知ったバーランカは、ペルーのジャングルでこの考古学者兼冒険家を背後から射殺しようと試みた。しかし、ジョーンズの動きはあまりにも早かった。彼は一瞬にしてバーランカの銃を持った腕にムチを巻きつけ、彼を無防備にしたのである。バーランカはジャングルへと逃走し、やがて敵対する原住民から毒矢による一斉射撃を受け、殺されたのだった。

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